“対話”を重ねて、想像を超えるデザインを共創する|tugu

Kanonは「心地よい選択のできる世界をつくる」をミッションに、クリエイティブの制作を行うベンチャー企業です。人生は常に選択の連続。1つの選択が明日の自分をつくり、時に運命さえも変えてしまう。その1つ1つの選択に納得感を持てる人が増えたら、そしてその選択が誰かの笑顔に繋がるとすれば、人々の幸福度はあがり、幸福の連鎖を生み続けられるのではないかと私たちは考えます。

今回は、デザイナーのtuguさんにインタビュー。Kanonの主軸事業であるKanonCreators(クリエイティブ制作事業)でもご活躍いただいています。

デザイナーとして活動しながらも、ディレクションや構築まで、一気通貫で伴走することできるtuguさん。良いものを作るために、お客様に全力で向き合い、粘り強く寄り添う彼女が大切にする想いについてお伺いしました。

※2025年2月取材

目次

お客様と“対話”しながら作り上げていく

――まず簡単に自己紹介をお願いします。

tuguと申します。主にLPやWebサイトのデザインを担当しています。依頼があればStudioでの構築まで行ったり、パンフレットやチラシといった紙媒体もお受けしたりしています。 

割合としては、LPやWebサイトのデザインが8割くらい。残り1割で、バナーやリッチメニュー、パンフレットのデザインなどを行なっています。

――Kanonではサムネイルやバナーデザインを担当いただいておりますが、tuguさんの普段の仕事をお伺いさせてください。

Kanon以外ですとLP・Web制作がメインの仕事になりますが、LPではデザインから入ることが多いです。場合によってはワイヤーから制作することもありますし、デザインをおこしたあと、Studioを使って構築・アニメーションをつけたりなども行なっています。Webサイトも同様で、ワイヤーからデザイン、構築、あとはCMS周りも担当することがありますね。 

基本的に直接お客様とお話して、「こういったデザインはどうですか?」と提案することから始めていますので、デザイナーとして活動しつつ、ディレクションのような動きまでしています。

――最初から最後までお客様に伴走できるようなポジションでいらっしゃるのですね。デザイナーに特化せず、全てを担うのはなぜでしょうか?

お客様の事業内容や課題をお伺いしてデザインをご提案するというフェーズが好きなんです。「これを作ってください」と一方的にご依頼を受けるのではなく、対話しながら「これが作りたい」というお客様の想いを引き出していく。そこにわくわく感とやりがいを感じています。

また直接お話(ディレクション)することで、「こんなことを伝えたいんだろうな」「良いと言っていたけどあまりしっくりきていなさそうだな」など、お客様の些細な気持ちを感じ取ることができるので、デザインのイメージが湧きやすくなるんです。

――デザイナーとして主に活動されてこられた中で、ディレクションという未経験の分野に触れることに対しての抵抗はなかったのでしょうか? 

それはあまりなかったですね。最初は私自身あまり自覚がなくて、良いものを作るためにお客様の話を聞いて、デザインに落とし込んで……という感じで何気なくやっていたんです。それをデザイナー仲間に話したときに、「それってディレクションもやっているってことだよね?」と言われて。そこでディレクションの業務までやっていたことに気付きました。

お客様のご要望もお伺いしたうえで、対話しながら作り上げていく。そしてせっかく作るのであれば、お客様の期待値を超えるような、満足いただけるようなものが作りたい。そんな想いが私の原動力になっています。

展覧会が好きで、色々な場所へ足を運ぶ

建築業界から、憧れのクリエイティブ業界へ転向

――tuguさんのご経歴について深掘りさせてください。デザイナーになったきっかけは何だったのでしょうか?

元々は建築関係の仕事をしていて、図面を書いたり、企画の提案などを行っていました。そこからなぜ転向したのかとよく聞かれるんですけど……実は、デザインをしたり、絵を書いたり、そういうクリエイティブなことに昔からすごく憧れていて、クリエイティブ系の仕事ができたら良いなと思っていたんです。 

高校時代に一度その夢を諦めてしまい、建築の道に進んだのですが、ずっと諦めきれない自分がいて。「自分の人生だしやってみよう!」と思いきってデザインの道に転向しました。 

――目指していた夢を諦めてしまったときに、建築業界を選ばれたのはなぜでしょうか? 

クリエイティブ系の仕事は実力社会だという印象があって。将来のことを考えたときに不安な気持ちが出てきてしまったんです。建築業界であれば経験値などで評価されていきますし、“堅実”だなと。

それにもともと勉強は嫌いではなく、大学で学べる学問にも興味がありました。ただ研究やプログラミングには当時興味がなくて……。建築であれば、授業でパースを描いたり、模型を作ったり、自分のやりたいクリエイティブもできるので、一石二鳥だなと思い選びました。

――実際に入ってみていかがでしたか? 

学生のときは本当に楽しくて、バイトや遊びもそっちのけで課題に取り組んでいましたね。実際に建築の仕事をしてからは、設計以外にもさまざまな業務を任せていただき、やりがいも感じていました。ですがだんだんと理想の仕事像との齟齬が出てきてしまいまして、自分の人生を考え直そうと思ったんです。

そこで「もっとデザインに特化して、自分で手を動かして作りたい」という気持ちに気付き、デザイナーになろうと決めました。

ライブの演出からインスピレーションを受けることも

自分の力試しでフリーランスを選択

――デザイナーに転向されてから2年目とのことですが、フリーランスという働き方を選ばれた理由はありますか?

自分の力でどこまでできるのかを試したかったというのが大きいですね。

それに会社員の経験はありましたが、フリーランスとして働いた経験はなかったので、両者を経験し、明確な理由と自信をもったうえで自分のキャリアを決断したかったんです。

初めから会社員で入ってしまうと、「携わった案件は最後まで担当したい」という性格上、数年は中々辞められない気がしていて。まずはフリーランスとして実力をつけてから、今後について考えようと思いました。

――フリーランスになってから大変だったことはありますか?

仕事を取る……というか、自分の力だけで仕事をいただくことがどれだけ大変なことなのかを日々実感させられています。“会社の中にいる”って本当にありがたいことだったんだなと。 

初めはとても苦戦して、「どうやったら仕事がもらえるんだろう」とずっと考えていましたね。あとはスキル的にもまだまだだったこともあり、そういったときに相談する相手がいなかったり、ひとりで頑張らないといけない状況だったりで大変でした。 今は周りにデザイナー仲間がいるので、困ったときはすぐに相談できるようになりました。

――初めは仕事をとることが大変だったとのことですが、現在はどのようにして案件を獲得されているのでしょうか? 

ありがたいことにリピートのお客様が多いんです。あとはフリーランス仲間の紹介で、「こういう方がこういう人探しているんだけど、tuguさんどう?」みたいに繋げていただいたりもしています。ですので、今はほとんどが既存のお客様と紹介で繋がった新規のお客様から仕事をいただいている状態です。

美味しいものを食べたり、おしゃれなカフェに行くのが日課

“積極的な提案”で、柔軟に対応する

――リピートいただけるということは、tuguさんのご対応に良い印象をお持ちだからだと思うのですが、実際にお客様からそのようなお声をいただいたことはありますか?

前職では、「お客様のご要望を鵜呑みするのではなく、期待値を超えていくことが大切」ということを先輩方に教えていただき、先方の都合に合わせたり、追加のご要望をお受けしたり、色々なことに対して柔軟に対応できるようになったんです。

今の仕事でもそういったところを評価していただけているようで、「色々と無理を言ってしまいましたが、柔軟な対応がとても助かりました」といったお声をいただくことが多いですね。 

――素敵です。tuguさんの中で、お客様とのやり取りで心がけていることはありますか?

どんな場面でも、とにかく“積極的にご提案すること”を心がけています。

例えば、「納期まで時間がないけど変更したい」というご要望をいただいた場面では、「このスケジュールでは間に合わないから、ここを調整して、こういうスケジュールに変更しても良いですか?」とお客様のご希望を叶えるための新たな提案をしたり、「ここの見せ方を変えたい」とご相談いただいた場面では、1案だけではなく、2〜3案を必ず提案して、それでもご希望に添えなければさらに提案して……と、お客様に納得いただけるまで繰り返しご提案しています。

――建築業界で培われた柔軟な対応力や企画力、お客様とのコミュニケーション……これまでの経験が全て今の仕事にも活かされているように感じます。今の tuguさんにとってデザイナーとは何でしょう?

デザインは、お客様の伝えたいことを、伝えたい人に向けて、わかりやすく伝えるためのものだと思っています。いくら良いデザインであったとしても、何も伝わらなければ意味がありません。

いかにわかりやすく、そして「良いな」と思ってもらえるよう魅力的に伝えられるか。それがデザイン力であり、デザイナーの仕事だと思っています。

趣味は読書。最近読んだおすすめの本

Kanonのミッション「心地よい選択のできる世界を作る」について思うこと

――Kanonにジョインいただいてから約1年になりますが、Kanonの印象をお聞かせください。 

Kanonに入ったときに、ちょうど周年パーティーに参加させていただいて。代表の加奈さんやKanonメンバーの話を聞いて、「お客様にとっての心地よい世界を作る、それを実現するために惜しみない努力をされている会社」なんだと思いました。そのときもですし、今も変わらず思っていることです。

みなさんいつも本当に丁寧に接してくださって、会社の想いが行動に表れているなと感じます。

――嬉しいお言葉ありがとうございます!最後に、Kanonのミッションである「心地よい選択のできる世界を作る」について聞かせてください。tuguさんにとっての心地よい世界とは何でしょう?

私にとって心地よい世界は、立場関係なく、みんなが対等であることです。

良いものを作り上げるために、お互いに言いたいことをきちんと伝え合って、一緒に頑張ることができる。そしてその中で、それぞれの良さや強みを最大限活かしながら働くことができたら良いなと思っています。 

「デザイナーの私が言ったからこうしよう」でもなく、「お客様が言ったからそうしよう」でもなく。常に対等な立場でいられたら良いですよね。 

――tuguさんの「お客様と良いものを一緒に作り上げたい」という強い想いが伝わってくるインタビューでした。ありがとうございました。

コーヒー体験。できるだけ色々な経験をするために、面白そうなものには挑戦

聞き手:星野綾美(Instagram
文・編集:田村佳苗(Instagram
サムネイルデザイン:吉村尚子(Instagram

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