伝えることへの情熱を胸に、言葉とデザインで想いを紡いでいく|Takeda Miho

Kanonは「心地よい選択のできる世界をつくる」をミッションに、クリエイティブの制作を行うベンチャー企業です。人生は常に選択の連続。1つの選択が明日の自分をつくり、時に運命さえも変えてしまう。その1つ1つの選択に納得感を持てる人が増えたら、そしてその選択が誰かの笑顔に繋がるとすれば、人々の幸福度はあがり、幸福の連鎖を生み続けられるのではないかと私たちは考えます。

今回は、編集/ライターのTakeda Mihoさんにインタビュー。Kanonの主軸事業であるKanonCreators(クリエイティブ制作事業)でもご活躍いただいています。

編集/ライターとして幅広い仕事に携わり、言葉とデザインの両面から人やものの魅力を引き出し、発信し続けているMihoさん。仕事への向き合い方や彼女だからこその強みについてお話をお伺いしました。

※2025年1月取材

目次

編集者として“なんでも”携わる

――まず簡単に自己紹介をお願いします。

愛知県名古屋市で編集/ライターとして活動しております、Takeda Mihoと申します。2024年2月からフリーランスとしての活動をスタートし、Kanonには主にライティングとデザインで携わらせていただいております。

現在は子どもが小さいこともあり、名古屋のWeb制作会社に短時間正社員として所属し、コピーライター/編集のお仕事を主軸としています。

――編集者やライター、さらにコピーライターとしてもご活躍されているとのことですが、具体的にはどのようなお仕事をご経験されてこられたのでしょうか?

クリエイティブの仕事を始めたのは出版社に入ったところからなのですが、そこで雑誌や観光パンフレットの編集という仕事をしました。小さな出版社だったので、本当に “なんでも”やっていましたね。

雑誌を例にすると、その号の企画を考えるところから始まり、どんなお店を載せるかをリストアップして特集を組み、誌面デザインのラフ作りまで担当。さらに発行するにあたっての制作進行管理なども行なっていました。

そのほか、取材や制作においては外部のクリエイターをアサインしてディレクションをしたり、掲載したいお店に直接電話でアポイントを取って、自ら取材に出向いたりすることもありました。カメラマンが撮影した写真と一緒にライティングもして、校正や校閲といった作業も全て自分で担当するんです。……本当に一通りの仕事に関わっていたと思います。

編集の仕事だけでなく、ライターとしてのスキルもこの経験を通して身につけていきました。

Web/SNS用コンテンツでは取材撮影から制作まで一人で担当することも

根底にある「良いものを伝えたい」という想い

――編集/ライターのお仕事に就くきっかけは何だったのでしょうか?

実は新卒で入社したアパレル会社で5年間、店長として働いていたんです。店舗の運営やVMD(商品ディスプレイの管理)、在庫管理、スタッフの採用や育成、接客など、いろいろなことを任されていて。仕事自体はとても楽しかったのですが、結婚をきっかけに働き方を見直そうと思い、転職をすることにしました。

ちょうどその転職期間中に結婚式を挙げたのですが、その頃はSNSやサイト上で結婚式準備の様子を発信するのが花嫁さんたちの間で流行していたんですよね。

――流行っていましたよね!

自分も式が終わった後に「どういう準備をしたか、当日どんな気持ちで過ごしたか」みたいな“花嫁レポート”を書く機会があって。それがすごく楽しかったんです。

アパレル時代に店舗のブログを書いていたりもしたのですが、そういう経験を経て、「第三者に向けて記事を書くことが好きかもしれない」と気づきました。

そんなときにWebの制作会社が出していた、未経験でも可能なライターのアルバイト求人を見つけ応募したんです。文章の書き方やSEOの基礎的な知識を学ばせていただきながら少しだけライター業を経験し、その後未経験転職で出版社に入社しました。

――アパレルから編集/ライター、全然違う仕事だと思うのですが、編集/ライター業に惹かれた魅力は何なのでしょうか

今思い返してみると、アパレル/編集/ライターに全て共通していることも多いなと感じています。

アパレル時代、店舗という現場においては、本社から届く商品を生かすも殺すも、店長である自分次第だと感じていました。広い売場の中でどこにどう置くかによって、お客様の目に触れるか、手に取ってもらえるかが大きく変わってしまって。

だからこそ、商品の魅力をVMDや接客によっていかにお客様に伝えるか、いかにブランドのファンになってもらうかというところにすごく情熱を注いでいたので、発信の方法は違えど、今の仕事にも共通している部分ですね。

――それぞれの全く違う魅力に惹かれた、というよりも「全てに共通する部分」があったのですね。

そうですね。もともと、人が想いを込めて作ったものやお店が好きなんですよ。そして本当に良いと思ったものをみんなに広めたい。その想いがずっと根底にあります。私、MBTIが広報運動家なので(笑)。

アパレル時代は自分が所属していたブランドの良さを伝えるという役割でしたが、もっと世界を広げて、世の中に転がっている良いものとか、実はまだ知られていないすごいものとか。そういうものを見つけて発信したいという気持ちがあったんだと思います。

――「良いな」と思っても、それを言葉にして発信するってすごく難しいことだなと感じます……。

アパレル時代の先輩に、「Mihoさんは人やものの良いところを見つけて伝えることが得意だね」って言われたことがあって。もしかしたらそういう特性はあるかもしれないですね。

昨年にマルシェイベントに出店し、アパレル時代に培ったスキルが今に活きていることを改めて実感しました

相手の想いを汲める人、わからない気持ちがわかる人であること

――今の仕事をする上で大切にしていることはありますか?

「相手の想いを汲める人でありたい」と思っています。誰も置き去りにしないように、1人ひとりの想いを大切にしたいんです。

例えばお店を取材するとき、もちろんクライアントもそうですが、作り手や情報発信元の方々の想いは絶対に大切にしたい。でもそこには情報の受け取り手として読者がいるわけで、「面白い」と思ってもらえるか、彼らが知りたい情報が入っているかなども気にしなくてはいけない。

編集はその間に立って、第三者目線で文章を書かないといけないんです。自分が間に立つことによって、関わる全員の想いを汲んで、みんなが納得できる最適解を出せたら良いなと思っています。

とことん話し合えば、きっと人類わかり合えるって思っていて(笑)。

――すごい……!

人間関係で失敗することも全然ありますよ!でも、できる限り気持ちをわかり合うにはやっぱり言語というものが1番便利なツールじゃないですか。

「この人の主張はこう」「この人はこういう気持ちで作っている」「この人はこういうものを求めている」みたいなところを、できる限り言語化して伝えるんです。

そのやり取り自体は記事にならないかもしれないけど、そういったコミュニケーションを含めて、編集というお仕事にやりがいを感じています。

――間に立つ仕事ってすごく大変なイメージですが、ご自身のやりがいに変えてしまうところが素晴らしいですね。

あとはもうひとつ、「わからないという気持ちがわかる人でありたい」ということも大切にしていますね。

例えば取材において、中には人生で初めてインタビューを受けられるような人もいらっしゃいます。ちゃんとその気持ちに寄り添い、「こういう目的で、こういうものを最終的に作りたいから、こういうことを聞きますね。うまく話せなくても後で直せるので、リラックスしてお話ください」と丁寧にお伝えするように心がけています。

……もちろん、逆に相手が専門的な立場の人であれば、その方となるべく対等に話せるよう、しっかり準備をして取材に臨むのですが。

ライティングにおいても、世の中の人の気持ちがわかるように、今は何が流行っているか、どういう消費者心理で生活しているかみたいなところは、日頃からリサーチしていますね。

相手の想いを汲むことは、子育てにおいても意識しています

言葉にもデザインにも触れてきた強みを活かして

――今までのお仕事で印象に残っていることはありますか?

特に印象に残っている仕事は、マルシェイベントの出店者紹介のInstagram投稿を担当したことです。インタビューからライティング、SNSデザイン、校正までを任せていただけました。


詳細はこちらから

これまでデザイナーやライターと分担していた制作を、一通り自分1人で担当したので、業務量が多く、工数もかかってすごく大変でしたが、とても良い経験になったなと思っています。

――今までの仕事を通して、Mihoさんだからこそできることや強みなどはありますか?

編集として制作に携わってきたので、「言葉」は単なる情報や、読んだときの音としての聴覚的な要素としてだけでなく、ビジュアル(デザイン)のひとつ、視覚的な要素だという意識があるかもしれません。

ライターであれば定められた文字数で執筆しなければならないですし、逆にデザイナーであれば文字数に合わせてデザインを組む場合が多いと思うんです。

ですが、編集として携わり、どちらにも振り幅を持てている分、言葉を優先すべきか、デザインを優先すべきか、もしくはどちらの良さも残した折衷案を考え出すべきか……という視点があるのが、自分ならではかもしれません。

――編集として文章・デザイン・写真など包括的に触れてこられたMihoさんならではの強みですね!

Kanonのミッション「心地よい選択のできる世界を作る」について思うこと

――Kanonにジョインして感じた印象をお伺いできますか?

代表のかなさんをはじめ、Kanonが、「コミュニティに属しているクリエイター全員が心地よく働ける環境作りが大切で、それによって良いクリエイティブが生まれる」という想いを持っているんです。自分自身の考えと通ずるところもあって、すごく居心地が良いですね。

あとは時間や場所に縛られずに自由なスタイルで働いている人が多く、身軽な分、新しいものをキャッチするような感度が高いんです。だからこそ、皆さん良いものを作れるんだろうなと思っています。

……ふわっとやさしい人が多いところと身軽な人が多いっていうところで、Kanonってたんぽぽの綿毛みたいだなーって思っていて。すみません(笑)。

――いえいえ、とても素敵な表現です!

案件ごとにその綿毛(Kanon)からクリエイターが飛び出して、クライアントに着実に根を張って、育て、花を咲かせる。そんなイメージを持っています。

――最後に、Kanonでは心地よい選択のできる世界を作るという想いを掲げていますが、Mihoさんにとっての「心地のよい世界」とは?

「みんながフェアである世界」ですかね。

「人間は自分のことで何か我慢をすると、他人に意地悪になる」という言葉を最近見かけたのですが、本当にその通りだなと思って。仕事でも、夫婦関係でも、親子関係でも、誰かが無理したり我慢したりしているアンフェアな状態だと、うまくいかなくなることが多いんですよね。

無理や我慢をしないで自分らしさを表現できる世界って何だろうと考えたときに、地位や立場に違いはあれど、なるべくみんながフェアな状態であることだなと思ったんです。

例えば、“母親”であっても積み重ねてきたキャリアを諦めない方法はないか、社会人としての経験は少ないけれど、こんなアイデアで新しい仕事を生み出せないか、とか。我慢している人が勇気を持って一歩踏み出せる世界だと良いですし、そんな相手に寄り添って話を聞いてあげられる人が1人でも多くいたら良いですよね。

――どちらにも歩みよる、といったイメージでしょうか?

まさにそうですね!もちろん当事者同士が歩みよることも大切ですが、フェアになるように周りが手助けするでも良いし、勇気が出なければ誰かに助けを求めるでも良いと思うんです。

みんながフェアな世界を、自分自身も作れるように、そして周りの人をサポートできるように生きていきたいですね。

――Mihoさんから学んだ「歩みよりの勇気」私も大切にしていきたいです。素敵なお話をありがとうございました。

誰かの“ロールモデル”となれるような人を目指して

聞き手:星野綾美(Instagram
文・編集・サムネイルデザイン:田村佳苗(Instagram

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