冷静な観察眼と戦略的思考でクライアントのブランド価値を高めるサービスをワンストップで提供する。|岩間 翠

Kanonは「心地よい選択のできる世界をつくる」をミッションに、クリエイティブの制作を行うベンチャー企業です。
人生は常に選択の連続。1つの選択が明日の自分をつくり、時に運命さえも変えてしまう。その1つ1つの選択に納得感を持てる人が増えたら、そしてその選択が誰かの笑顔に繋がるとすれば、人々の幸福度はあがり、幸福の連鎖を生み続けられるのではないかと私たちは考えます。

KanonCreators(クリエイティブ制作事業)には、デザイナー、ディレクター、フロントエンドエンジニア、コーダーなど40名ほどのクリエイターが所属しています。今回は、創業期からマルチに活躍している岩間翠さんにインタビューを実施しました!※2023年11月取材 

目次

成果が視覚的に見えるのが面白いと思い、デザイン系に進みました

ーー簡単に自己紹介をお願いできますか? 

岩間翠です。Web制作周りの仕事に携わるようになったのは26歳からで、キャリアは7〜8年ほどです。 新卒時は、会社員として IT系のプログラマーや、SEとしてキャリアをスタートしました。その後、半年間社会人向けのWebデザイナーの学校に通いつつ、派遣でWeb制作会社に入ったのがWebデザイナーとしての始まりです。

長野県出身で、大学進学を機に北海道に移りました。途中、フィジー、カナダ、東京に滞在していた時期もありますが、現在も北海道に住んでいます。

ーーWebデザイナーにスキルチェンジしようと思ったのは、どういった背景や理由だったのですか? 

絵を描くのは、物心ついた時から好きでした。会社員時代に培ったITのキャリアも多少は役立てられると考えました。また、会社員時代のプログラマー的な仕事は、成果が視覚的に見えづらいので、見える方が面白いと思い、デザイン系に進みました 。

ーーデザインをお仕事にされて7〜8年ぐらい経ってみて、実際にどうですか? 

まず、イラストとデザインには違いがあります。また、画家とイラストレーター、デザイナーも違います。いちばんの違いは、画家は自分の描きたいものを描きますが、イラストレーターやデザイナーは「お客様ありき」というところです。デザインだけではなく、 コーディングやライティングもやっていますが、マーケティングの視点も持っている必要があると感じています。 

デジタルイラスト「四角い魚」

魚や動物を描くのは、美しさと多様性への興味が尽きないから

ーー翠さんといえば魚の絵を描いているイメージ なのですが、それは魚も好きだから、好きをかけ合わせて魚の絵を描いてるということですか?

子どもの頃から絵と野山に親しんでいて、もともとは動物の絵ばかり描いていました。大学で生物学専攻だったこともあり、絵や写真は観察記録のツールでした。観察した対象を理解するために絵を描き、絵を描くために生物を観察していました。

魚の絵を描くことが多くなったのは、大学に入って「釣り」を本格的に始めて、魚と遭遇する機会が増えたからです。 

ーー「釣り」の魅力はどんなところですか ? 

まず地図や天気を見て、多分この日この場所釣れるだろうなっていうのを予測するところから始まります。実際にやってみて、それが当たったり外れたりするところが面白いです。また、魚自体の形態のユニークさや色彩の美しさにも興味を惹かれますし、釣って食べられるのも醍醐味です。

水彩画「ヤマメ」

マーケティングの目線を持ってデザインする

ーー翠さんは何でもできるので、 Kanonとしては本当にお世話になりっぱなしなのですが。マーケティング的な目線を持ってデザインを作れたり、クライアントと対話ができたり、仕組みも構築できるというのは、難易度が高いと思うのですが、どういう風にマーケティング的な捉え方を勉強して、身につけられたのでしょうか? 

会社員の頃は、マーケティングというよりも、デザイナーとしてUIとかUXの“使い方” 、“使いやすさ”のような 、「ユーザー目線」という観点から入りました。その後、独立するタイミングで 、自分自身のビジネスにマーケティングの目線が必要になり、本格的に勉強をし始めました。そして、自分のビジネスだけではなく、マーケティングの目線をデザインや制作にも使うという方向に進んでいきました。 

ーーマーケティングの目線が必要だと気づいた後、 実際にデザインやUIにマーケティングの観点を取り入れてみて、お客様の反応や効果を感じられたのはどんな時でしたか?

最近携わった採用サイトの構築やブランディングの反応は良かったと聞いています。ただの下請けの作業者ではなく、何を意図してデザインを使うのかを明確にするところから入って、コンサルティング的な関わりもしているところが差別化ポイントなので、そこを評価していただけていると感じています。

フリーランスという働き方の魅力と今後の目標について

ーー今、フリーランスで、直接お客様の制作をされるか、Kanonのような制作会社と一緒にお取り組みをされているかと思いますが、フリーランスと会社員として制作会社に勤めていた時との違いはありますか? 

そうですね。技術的なところで、ある程度一人で全部やらないといけないということがあります。ディレクターを兼ねてやっている人もいたので、私もそういうやり方を選びました。

会社員時代は、営業の人が仕事を取ってきてからの関わりでした。マーケティングもまだそれほど学んでいなかったので、ユーザー目線までの視点はありましたが、依頼者側の視点まではなくて、ある程度言われたことをやるようなところがあったように思います 。 

ーーフリーランスになって、最初は苦戦したこともありましたか?

営業が苦手なのは、最初から変わらないのですが。2020年から2年半ぐらいは、海外で学校に行ったり、現地で働いたりしていました。会社員からいきなりフリーランスに転向したのではなく、海外で、現地の仕事とフリーランス半々ぐらいの期間を経てからフリーランスにシフトしたので、ある程度スローランディングできた気がしています。

ーーフリーランスという働き方は翠さんには合ってますか ?

合っていると思います 。 

ーー翠さんは、色々マルチにこなしてくださるので、Kanonから依頼している制作も多岐にわたっていますが、翠さんがやりたいこと、やっていてご自身が心地よいなと思うことはどんなことですか? 

実は、私は一つに絞らない状態が合ってるような気がして、色々やっているということがあります。スキル面でも、デザインばっかりやってると煮詰まるし、コーディングばっかりでも煮詰まるし、色々選択肢がある状態が良いかなと思ってます 。 

ーーじゃあ色々な業種のお客様とお仕事している方が、楽しくやれるかな?みたいな感じなのでしょうか? 

そうですね。ある程度広くてもいいかなと思っていますが、最近、スキル的にも業種的にも、もう少し絞った方がいいかなとは思い始めています。

ーー絞った方がいいと思ったのは、なぜですか?

スキル的な面では、Webの業界は学ぶことがどんどん増えていて、何年か前はフルスタックエンジニアもいけたけど、最近は難しくなってきているということがあります。ビジネス的にもある程度絞った方がお客さんも分かりやすいし、単価も上げやすいという判断ですね。 

ーーさすがマーケティング目線が生かされていますね!
デジタルイラスト「年賀状2024」

KanonCreatorsに参加したきっかけと、今感じていること

ーー最初Kanonに参加したきっかけを覚えていらっしゃいますか?

フィジーから帰国してカナダに行くまでの間、日本で仕事の新規開拓をしようと思って異業種交流会に行った時に、知り合った方が紹介してくださったのが最初のきっかけですね。 

ー一緒にお仕事をさせていただいてから3年ぐらい経った今の印象はどうですか?翠さんは、Kanonと伴走してくれているメンバーのお一人で、新しいクリエイターも増えてくる中で結構古参なのですが。今のKanon全体を翠さんから見た時に、どういう風に見えているのかを、率直にお聞きしたいです。

そうですね 。人を集めるところが得意なのはさすがだなっていうのは引き続きなんですが。大勢の人を巻き込んでお仕事されているので、その分コミュニケーションを取ったり、調整するのが大変なのではないかな?と思いますが、順調に大きくなっているような印象を受けています。

ーー印象に残ってるエピソードはありますか? 

ずっとオンラインで画面越しでしか見たことがなかったので、リアルで初めて対面した時、本当に実在するんだなって思いました(笑)。 

ーーKanonCreatorsは、最北端が北海道の翠さんで、南が鹿児島。ディレクターさんとデザイナーが一人ずつ鹿児島と五島列島ということもあり、普段Kanonはこんなふうにオンラインでお話しています。最初に翠さんにお会いした時、カナダのお土産を大量に持ってきてくださいましたね。

そうでしたね。 

ーー東京のオフィスに遊びに来てくれた時のことを、私もよく覚えてます。普段オンラインでお仕事してる人と初めて対面した時、どう思いましたか?

 想像通りで、違和感ありませんでした。

ーーKanonとのお仕事は、どんなところにやりがいを感じていただけていますか? 

そうですね。もともとこの仕事は好きでやってるので 、無理なく仕事ができていれば幸せです。Kanonとのお仕事は、やりやすいです。

ーー今後の翠さんのビジョンについて教えてください。

今、事業の整理をしている最中で、変わるかもしれませんが。Webの世界が広がり続けているので、協業の必要性を感じています。ディレクションやチーム化などが直近の課題です 。

ーー今後は仲間を増やして、Webの業界の変化の速さにも対応していける体制を作っていこうという感じでしょうか。

そうですね。

ーーそのチームの一つにKanonも入れていただけると嬉しいです。

私が入れていただいている方なので(笑)。

Kanonのミッション「心地よい選択のできる世界をつくる」について思うこと

ーー最後に、翠さんなりの「 心地よい選択のできる世界」について教えていただけますか? 

そうですね…私はカナダやフィジーに滞在していたこともあり「多様性」というのがまず重要です。特にカナダは、とても多様性が高い国で、滞在中にその恩恵を実感しました。あと同じ世界に生きていても、人によって見える世界がだいぶ違うので、あまり主観的にならずに、データを使って客観的な判断もしていきたいと思っています 。

ーーあー 素敵!たしかにそうですよね。物事の正解はひとつではないところをまず理解して、物事を色々な角度から見るようにし続けることが「 心地よい選択のできる世界」の要件なのではないか、ということでしょうか?

そうですね。

ーーありがとうございました。

ありがとうございました。

岩間翠 著書

口を開けたらすごいんです! いきもの口図鑑

2021/4/21 初版発行 / インプレス
監修:長谷川眞理子先生(総合研究大学大学院大学学長) 絵:岩間翠

  • 企画
  • 文献調査(論文/書籍)
  • イラスト(デジタル)
  • ライティング(一部)

聞き手:岩津加奈(XInstagram
文・編集:西田美佐

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「心地よい選択のできる世界をつくる」をミッションに掲げるクリエィティブカンパニーです。

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